子どもが小さいうちはできれば在宅で仕事がしたい」「通勤に時間をとられたくない」「フリーランスになりたい」など、いろんな理由から在宅ワークを目指す人が増えています。でも、「在宅ワークってどういうもの?」「簡単に始められるの?」など在宅ワーク初心者の方には疑問が多いと思います。そこでこのコーナーでは、在宅ワークを始めようかな?と思っている人に向けて、基本的なことについて書いています。



LESSON1 在宅ワーカーって何?
 「在宅ワーカー」って、どういう人たちのことを指す言葉なのでしょうか? 漠然と「自宅で仕事をする人」と思われることが多いのですが、実際は実に多種多様な仕事があります。
 「在宅ワーク」に類似する言葉として、「テレワーク」や「SOHO」という言葉がありますが、どう異なるのでしょうか? 「テレワーク」というのは、tele(離れて)とwork(仕事する)からくる造語で、情報通信ネットワークを利用して時間や場所の制約を受けずにいつでもどこでも仕事をする形態を指します。「SOHO」は、Small Office & Home Officeの略で、1人あるいは数人が数社と契約して仕事をする形態を指します。厳密に分けることはできないと思いますが、「在宅ワーク」は、基本的に会社との雇用関係はなく、個人で数社と契約して、自宅で仕事をする形態を指す言葉として理解しておけばいいでしょう。
LESSON2 どんな仕事があるの?
 実際にはいろんな仕事がありますが、みなさんが一番に思いつくのは「文章入力」や「データ入力」でしょうか? 事実、在宅ワークでもっとも多いのがこれらの仕事です。よく、新聞やその折込広告などで求人募集を目にすることもあるでしょう。比較的、簡単に取り組みやすい仕事なのかもしれません。
 他には、プログラマやエンジニアといった技術系の仕事や、ライターやエディター、翻訳といった出版系の仕事、あるいはデザイナーやイラストレーターといった美術関連系の仕事などがあります。
 在宅ワークを始める場合、それ以前に勤めていた会社での仕事を継続したり、何らか関連がある仕事を選んだりすることが多いものです。これは、「独立・開業」というケースで、技術系や専門の仕事をする人に多いようです。一方、全然その道の経験もなく始めようとする場合は、文字・データ入力などの、PCやソフトの基本的な知識を持っていればできる仕事をする人が多いようです。
 在宅ワークは、基本的には1人で仕事の受注(営業)からすべてやるので、まったく知らない業界の仕事(専門的な知識が要求される職種)を始めるというのは、かなり難しいものだと思います。かといって、まったく無理というわけではありません。時間があるなら、専門学校やパソコン講座に通って勉強することもできるのですから。

LESSON3  在宅ワークって、簡単? 楽?
 在宅ワークには、メリットもありますが、当然デメリットもあります。「世間で思われているほど楽じゃない」というのが率直な感想です。
○メリット
 
会社に通うわずらわしさがない(時間・人間関係のうえで)
 仕事を選べる
 仕事の量を調節できる
 時間の融通がきく
○デメリット
 
自己管理がたいへん
 万が一トラブルが起こっても、自分の力で解決しなければならない
 仕事を自分で取りにいかなければならない
 個人でやっていると足元をみられやすい
 社会的な信用がいまいち得られない

 メリットとデメリットは表裏一体です。在宅ワークをしたいと考えるのは、働く女性が出産・子育てによってフルタイムで働くことが難しくなった時であったり、専業主婦だった女性が家計を助け、自分の生きがいを求めようとする時であったり、というのが、一番多いケースのようです。在宅ワークのメリットだけを鵜呑みにして、安易に始められると勘違いする人もいますが、デメリットも当然知ったうえでなければ続けていくことはできないでしょう。
LESSON4 パソコンはできなきゃ、ダメ?
 在宅ワークで一番多い文字入力の仕事などは、ワープロでもOKのところがあるかもしれません(単なる文字入力、原稿作成ならワープロで作成して、テキスト形式で保存すれば、どんなものでも見ることができます)。でも、だいたいワード(文書作成)やエクセル(表作成)などのパソコンソフトを使っての仕事になると思います。
 パソコンを使うことに関しては、作ったものをどういう手段でクライアント(仕事の発注者)とやり取りするのかということにも関係します。というのは、作ったデータをフロッピーなどに入れて、クライアントに持参、もしくは宅配便などで送付する場合は、とくにパソコンの出番はありません。でも、最近はメールでデータファイルを添付して送る(=納品する)ところも多いので、この場合はパソコンが必需品です。もちろんワープロでインターネットができるものならそれでOKです。ワープロの需要が低くなっているということと、パソコンが廉価で手に入るようになったという理由から、多くの人はパソコンを購入しているようです。
 仕事の連絡も電話ではなくて、メールでやり取りするところも多いので、パソコンはある程度できる(文書を作成できる、インターネットができる)という方が、仕事も受けやすいでしょう。
 ちなみに、パソコンはウインドウズが一般的です。もちろんマックでもいいのですが(デザイナー系の方はたいていマック)、文字入力など画像処理があまり必要ないものならば、ウインドウズの方がいいでしょう。
LESSON5 仕事はどうやって得るの?
 在宅ワーカーのもっぱらの悩みはコレです。仕事をどうやって得るのか?? すでに何社かと契約していて定期的に仕事が入ってくるなら安心ですが、たいていはそういうわけにはいかず、自分で営業に行くこともあります。まったくツテがない人は、新聞の求人などで在宅ワーカーを募集しているところに応募したり、インターネットのHPで検索したりしてクライアントを探すことから始めます。在宅ワークを始める人の中には、これまで会社勤めをしていて、そこでの仕事を続けて在宅で行う人もいます。そういう人は、その会社(あるいはその会社のクライアント)から仕事を受注することができるでしょう。
 また、仕事をいくつか引き受けることができたのはいいのですが、納期が重なってたいへんな目にあうこともありますし、子どもがいる人は子どもの病気などで仕事の時間がとれないこともあるでしょう。そういう時に備えて、できれば在宅ワーク仲間を作り、その仲間で仕事を受けたり、自分が受けたけれどできなくなってしまった仕事を任せたりできるのが理想です。文字入力の仕事などでは、こういったグループで仕事を受けている人たちは少なくありません。ただし、そのグループの中で不公平がないように、取りまとめる役目をする人が必要になるでしょう。
 どういう形でやるにしても、会社というバックがないところで仕事をしようとするのですから、自分できちんと自己管理ができる能力が必要でしょう。

LESSON6 子どもは預ける?手元で見る?
 出産と同時に退職を余儀なくされたママの中には、在宅ワークを始めたいと思う人が多いようです。それまで培ってきたキャリアを捨てたくない、少しでも仕事をして収入を得たい、子育てに支障をきたさない程度に仕事をしたいなど、理由はさまざまでしょう。
 ここで問題なのが、赤ちゃんをどこかに預けて仕事するのか? 手元で見ながら仕事するのか? ということです。やる仕事の内容や量によって考え方も変わってくるでしょうが、多くは「赤ちゃんを預けてまではちょっと…」と思うようです。ただ、1才くらいまでなら手元において自分で赤ちゃんの世話もしながら仕事もできるかもしれませんが、1才すぎて子どもが動きまわるようになるとかなり大変です。子どものお昼寝の1〜2時間や夜眠った後の1〜2時間でできるくらいの仕事量ならば可能ですが、それ以上となると、やはり保育園などに預けて働いた方が無難でしょう。子どもに負担をかけまいと、手元において仕事をしようとしても、邪魔しにくる(子どもはママに遊んで欲しいので来るだけですが…)子どもを叱りながらでは叱られる方の子どもは困ってしまいます。
 ですから、いくら在宅ワークでも、子どもの年齢によって、手元で見ながらでも可能かどうかは判断しなければなりません。経験からいくと、ある程度の仕事をこなすには、1才までなら手元でもOK、1才〜3才なら保育園などに預けて、それが嫌なら子どもが幼稚園に入ってから始めるのがベストだと思います。




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